 | ひとひらの雪 B00006LF06
■Amazonエディターレビュー 建築家・伊織祥一郎(津川雅彦)は、4年越しの愛人・相沢笙子(沖直美)と関係を続ける一方、10年ぶりに再会し今は人妻の高村霞(秋吉久美子)とも逢瀬を重ねていた。ある日伊織のマンションで、霞と笙子が鉢合わせ。笙子は伊織の部下・宮津(岸辺一徳)との結婚を決意する。伊織と霞はスペインへの旅行を思い立つが、出発の当日霞は空港に来なかった。 渡辺淳一原作の官能ラブロマンスの映画化とあって、ハードな恋愛描写が繰り返される。そんな中、不倫に溺れる人妻を演じる秋吉久美子の、感情を抑えた演技が逆にインモラルな香りを濃厚に醸し出して艶めかしい。ただし作品の基本的な構造は、往年のイタリア映画を思わせる艶笑コメディーともいうべき趣。妻からも愛人からも去られてラストで泣きじゃくる中年男を演じた津川雅彦は、本作で「どこか憎めない不倫オトコ」のイメージを確立した。主題歌はジュディ・オング。(斉藤守彦) |
 | 透光の樹 B0009H9X4S
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 | 炎の肖像 B00005QYP2
■Amazonエディターレビュー 喧嘩、放浪、セックスと気ままな生活を送るロック歌手・鈴木二郎(沢田研二)のもとに、ある日ふたりの少女・きり(秋吉久美子)とひろ(原田美枝子)が押し掛けてくる。ひろはかつて二郎を愛していた女の妹で、姉は二郎に捨てられて自殺したと言う。ふたりを疎ましく思っていた二郎だったが、やがて彼女たちのどちらにも惹かれていく…。 ジュリーというニックネームを共有する、沢田研二と劇中の歌手・二郎のイメージをダブらせた、藤田敏八と加藤彰、ふたりの監督による異色作。沢田と二郎の境界線を曖昧にし、虚実織り交ぜて華やかな歌手生活と私生活を描くという狙いはユニーク。ドキュメンタリー的なニュアンスも楽しめる一編となったが、そうした方法論故にストーリーの流れまで放浪してしまった感は否めない。ともあれ秋吉久美子、原田美枝子の初々しい姿、年上の女に扮してベッドシーンを見せる中山麻里ら、女優たちの見せ場は少なくない。(斉藤守彦) |
 | YUICHIRO SAKURABA in ムコ殿 DVD BOX B00005NYM7
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 | 青の炎 特別版 B00008NWAC
■Amazonエディターレビュー 母、妹との幸せな生活をおびやかす存在である義父を殺す計画を実行に移した高校生の少年。それは完全犯罪に見えたが、思わぬ綻びが見つかり、彼は追い込まれていく…。 貴志祐介原作の同名ミステリーを、世界的な舞台監督・蜷川幸雄が演出。家族を守るために重い罪を背負ってしまい、追いつめられていく少年の生きざまには胸が締めつけられる。水槽の中で横たわったり、海沿いをロードレーサーで突っ走ったりする少年の姿を、時にはジックリ、時には軽やかに映し出す映像も美しく、ベテラン演出家の繊細かつ確かな腕に圧倒されること必至。また主演の二宮和也が、やさしいがゆえに犯罪に走らざるをえなくなってしまった少年を熱演している。母親に秋吉久美子、妹に鈴木杏、少年のガールフレンドに松浦亜弥が扮し、デザイナーの山本寛斎が、義父の役で不気味な個性を発しているのも興味深い。(斎藤 香) |
 | 異人たちとの夏 B00005MMLK
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 | 田原坂 B00005HP9T
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 | 十六歳の戦争 B000194U10
■Amazonエディターレビュー 有永(下田逸郎)は、たまたま訪れた愛知県豊川市でひとりの少女あずな(秋吉久美子)と知り合った。あずなの父親(佐々木孝丸)はこの重工業地帯の大工場幹部であるが、彼女の家には戦時中、軍の工場技術者であり、終戦記念日が近づくと錯乱する叔父(ケーシー高峰)も同居している。そして有永は、かつて挺身隊隊員だったあずなの母・保子(嵯峨三智子)に自分の母の面影を見るのだが……。 アメリカ軍の爆撃によって命を奪われた愛知県豊橋市軍需工場地帯の勤労女子生徒たちの慰霊のため、地方自治体が出資して作り上げた作品。しかし実験映画界で名を馳せる松本俊夫監督は、これを単なる慰霊の域にとどめるのではなく、現代ならではの批判精神と実験精神をもって、一見平和でありながらも、その実、戦争の重い傷跡を隠しながら生きる人と街の欺瞞をも前衛的に捉えている。フォークシンガー下田逸郎の映画出演も話題ではあったが、それよりもこれが映画デビューとなった秋吉久美子の、ヌードも辞さない初々しい魅力のほうが、現在では語り草になっている。1974年に完成したものの、実際の公開は76年まで延ばされた、いわくつきの意欲作でもある。(的田也寸志) |
 | 赤ちょうちん B0000UN584
■Amazonエディターレビュー ふとしたことで出会ったふたりの若い男女が、傷つきながら東京を放浪していく物語。青春映画の旗手・藤田敏八監督が、フォーク・グループかぐや姫の歌うヒット曲『赤ちょうちん』をモチーフに映像化した。 有料駐車場に勤める政行(高岡健二)と幸枝(秋吉久美子)は、アパートで同棲生活を送る関係。「この部屋に以前住んでいた」と言い張って居候を決め込む中年男(長門裕之)が出現したり、子どもを出産したりする日々を送るふたりは引っ越しを繰り返し、東京の片隅を放浪して行く。そんな生活の中、幸枝の精神は徐々に異常を来たして行く…。 東京の片隅で、つましく暮らす男と女が居場所を求めてさすらい続ける、そのたび重なる放浪ぶりが哀しみを誘う作品。そんな悲劇性の強い作品にも関わらず、秋吉久美子の、ガラスのように繊細な存在感と、それに相反するようなみずみずしいボディと小悪魔的な表情は強烈なインパクトを与える。(斉藤守彦) |
 | 十七歳 B0000A4HRW
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