巻頭にある「美しく、前向きに生きたいすべての女性へ」という言葉が表しているとおり、自分のパワーの源をさらけ出すことで、多くの女性に元気とやる気を与えるような本となっている。とはいえ、彼女にも、悩み苦しんでいた時期があったらしい。恋愛において、「嫉妬の鬼」とでもいうべきマイナス感情と正面から向き合わざるを得なかった時代。大震災後、親しい友人や両親を残して上京したばかりの不安で寂しい日々。テレビなどで見る藤原紀香のイメージからはほど遠い、でも、普通の女性とまったく変わらぬ姿がここにある。このような下積み時代を長く経験している人だからこそ、語る言葉に説得力があるのかもしれない。
見られることを職業とし、プロとしての誇りを持っている彼女の心意気は、とてもストイックで、厳しい。でも、同じ女性として参考にすべき「藤原主義」はたくさんある。「(仕事柄)外見のビューティーなんていくらでも作れてしまうことを誰よりも知っている」からこそ、内面の美しさにこだわりたいという彼女の姿勢は、楽してキレイになりたいという見果てぬ夢を持ってしまいがちな私たちに、強烈な喝を入れてくれるようだ。(朝倉真弓)