 | 関ヶ原 B00005OO0A
■Amazonエディターレビュー 司馬遼太郎の同名原作をオールスターキャストでドラマ化した、関ヶ原を描いたドラマの決定版とも言うべき名作大型時代劇。病没した豊臣秀吉(宇野重吉)の遺志を一途な思いで引き継ごうとする五奉行の一人・石田三成(加藤剛)と、その機に乗じて天下取りをもくろむ徳川家康(森繁久弥)との息詰まる攻防が、利に走り、裏切りに終始した関ヶ原の合戦という一つの戦に収斂していく様とともにスケール盛大に描かれている。 何にもまして特筆すべきは、名優ぞろいの豪華出演陣だ。もはや伝説となった多くの役者たちが適材適所の役を演じたことによって、この戦国絵巻はいっそうの重厚さを獲得している。中でも、いかなる時にも義の人であり続けた石田光成を熱演する加藤剛がうってつけのはまり役。理想のあり方を追い求めるがゆえに誰からも受け入れられない孤高が、光成のイメージ通りだ。クライマックスの関ヶ原の合戦の再現は、エキストラ3500人、馬500頭を動員したスペクタクル。まさに労作と呼ぶにふさわしい作品である。(麻生結一) |
 | 蒲田行進曲 B000063EG0
■Amazonエディターレビュー つかこうへいの同名戯曲を、時の角川映画総帥・角川春樹がプロデュース、『バトル・ロワイアル』の深作欣二が監督した痛快アクション人情悲喜劇の快作。 東映京都撮影所の大部屋役者・ヤス(平田満)はスターの銀ちゃん(風間杜夫)から妊娠した恋人・小夏(松坂慶子)の面倒を見る羽目になってしまう。やがて彼女と結ばれ、彼女と生まれてくる赤ん坊のために危険な仕事を次々とこなし続けるヤスだったが…。 脇役に熱い愛情を注ぎ続ける深作映画の特色と巧みに呼応した作品。クライマックスの新選組池田屋階段落ちのシーンは涙なしでは観られないとして話題が話題を呼び、日ごろ日本映画を見ようとしない若者層まで多数集客して大ヒットを記録。その年の映画賞も独占した。(的田也寸志) |
 | 青春の門 B0007TF9IW
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 | 火宅の人 B000095YHG
■Amazonエディターレビュー 作家・桂一雄(緒形拳)は、最初の妻に死なれ、後妻・ヨリ子(いしだあゆみ)と再婚。ヨリ子は一郎(利根川龍二)、次郎、弥太、フミ子、サト子と5人の子どもを育ててきた。昭和31年夏、一雄は、同じ九州出身の新劇女優・矢島恵子(原田美枝子)と事をおこしてしまう。それより前、次郎が日本脳炎にかかって言葉も手足も麻痺してしまい、ヨリ子は怪しげな宗教にすがるようになり、あげくの果ては家を出ていってしまう。 小説家・壇一雄の小説を深作欣二監督が映画化。実際に壇一雄の娘である壇ふみが、一雄の母親役で特別出演している。煩悩に支配され、放浪を繰り返すだらしない男の一代記、という見方も出来るが、男の立場から見ると、そんな男の本能を刺激してやまない魅力的な女性たちの逞しい生き様を描いた作品ともとれる。男女の命がけのせめぎ合いを、時にアクション映画のタッチさえ取り入れながら描いた、深作欣二の骨太な演出が光る文芸エンタテインメント大作。(斉藤守彦) |
 | カンゾー先生 B0001J0C8U
■Amazonエディターレビュー 戦時下の岡山県で「開業医は足だ」をモットーに診療を続ける赤城風雨(柄本明)は、どんな病気も肝臓炎と診断してしまう「カンゾー先生」と呼ばれる医者。「このままでは日本中に肝臓炎が蔓延し、国が壊滅してしまう」との危機感を抱いた彼は、診療の傍ら肝臓炎ウィルスの研究に精を出す。そんな折り看護婦として雇われているソノ子(麻生久美子)が、負傷した脱走兵・ピート(ジャック・ガンブラン)を診療所に匿ってしまう。 今村昌平監督の作品は人間の生き様を鋭く洞察するその視点から、やもすれば陰湿な作風になりがちだが、本作に関しては、からっとした爽快な作品に仕上がっており、戦時中という時代を生き抜いた人々の滑稽さと大らかさを巧みに描いている。イマヘイ監督、撮影当時72歳という年齢が信じられないほどの軽快な演出に加えて、「日本人全員の頭が肝臓炎になってしまう」といった鋭い社会批判まで盛り込む絶妙なバランスは、前作「うなぎ」から脚本に参加している、子息の天願大介の手腕も生かされていると見た。(斉藤守彦) |
 | 日蓮 B00078XEO4
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 | 聖徳太子 B00005YWWI
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 | 事件 B00012T3DW
■Amazonエディターレビュー スナックの経営者上田ハツ子(松坂慶子)が殺され、19歳の工員・宏(永島敏行)が逮捕された。彼はハツ子の妹・ヨシ子(大竹しのぶ)の恋人でもあった。やがて裁判が始まり、それとともに意外な事実が次々と明るみになっていく……。 大岡昇平の同名小説を原作に、『砂の器』などで知られる名匠・野村芳太郎監督が手がけたヒューマン法廷サスペンス映画の大傑作。事件の真実を追求すればするほど、赤裸々で哀しい人間関係が露になっていく過程が実にスリリングに、そして叙情的に描かれており、スタッフ・ワークもキャスト陣も完璧といえるほどの成果を示している。本作こそは、映像でドラマを語るとはどういうことなのかを知るための最上級のテキストであると断言したい。また、映画版より先に作られたTVドラマでも同じ役を演じた大竹しのぶは、この1作で天才女優の名声を世に知らしめた。(的田也寸志) |
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■Amazonエディターレビュー 故・田宮二郎が国際線ジャンボ機のクールな機長に扮して人気を博した、1974年放送の連続TVドラマシリーズ。前年放送の『白い影』に続く、「白いシリーズ」第2弾でもある。脚本は、ジェームス三木、小山内美江子らが担当している。 アメリカでジャンボ機の機長の資格を取得して帰国した主人公・杉山を待っていたのは、ピアニストの妻・綾子の失踪だった。杉山は忙しい勤務の合間に、綾子を探し続ける。そんな彼を、死んだ親友の未亡人である里子(山本陽子)が見守っていた。さらに、スチュワーデスの薫(松坂慶子)も、杉山に思いを寄せるように…。 今も昔も花形職業である国際線パイロットの緊張感ある日常が、妻の失踪と言うサスペンスを軸にして描かれていく。実際の航空機コックピットで撮影を行った迫力の映像や、サンフランシスコ、ハワイ、香港、マカオといった場所での豪華な海外ロケも魅力。だが一番目を惹くのは、他ならぬ田宮二郎の、感情を抑えながらも哀愁漂う存在感だろう。当時の「王道なカッコよさ」が偲ばれる作品だ。(安川正吾) |
 | 配達されない三通の手紙 B00012T3E6
■Amazonエディターレビュー 山口県萩の名家、唐沢家の次女・紀子(栗原小巻)のもとに、3年前失踪した婚約者の敏行(片岡孝夫)が戻ってきた。周囲の反対を押し切り、ふたりは結婚したが、新婚3か月後のある日、敏行の妹と名乗る女性・智子(松坂慶子)が現れ、唐沢家に居座るようになる。それは、やがて来る唐沢家の災厄の前触れであった……。 『砂の器』『事件』などの巨匠、野村芳太郎監督が、エラリー・クィーンのミステリー小説『災厄の町』を原作に、舞台を日本に置き換えて手がけたミステリー大作。日本的情緒をいかに華麗に、そしてファッショナブルに展開させていくかというのが本作の主旨であり、そのためミステリー部分の底が浅くなった感はあるものの、そのゴージャス感みなぎるロマンティシズムの発露はやはり魅力的だ。野村作品の常連俳優たちが総出演という豪華さも嬉しい。松坂慶子のシャワー・シーンというサービスショットも当時はマスコミを大いににぎわせた。(的田也寸志) |