悪霊軍団によって滅ぼされた里見家の静姫を救うべく、八つの玉で結ばれた八犬士たちが大活躍。主演・真田広之らが繰り広げるアクションの数々は、日本のみならず台湾をはじめとするアジア諸国でも話題となり、後のアジア娯楽映画製作に多大な影響を及ぼすことにもなる。また、そのさなかで行われる真田と薬師丸ひろ子のラブ・シーンは、当時のファンに大きな衝撃を与えた。深作映画らしく、夏木マリや目黒祐樹などの悪霊たちが、実にいきいきと画面いっぱいに立ち振るまっているのも魅力的。(的田也寸志)
大スター高倉健主演による、角川映画第3弾のバイオレンスアクション超大作である。原作は『人間の証明』と同じ森村誠一。クライマックスの戦闘シーンの数々は、国内では撮影不可能と判断してアメリカロケを敢行した。戦車や銃器など、本物の迫力にあふれている。80年代最大のアイドル映画スター、薬師丸ひろ子の記念すべきデビュー作でもある。東映ヤクザ映画路線の個性派俳優も、大勢出演。主題歌は町田義人『戦士の休息』。(的田也寸志)
『風街図鑑』とのダブリ曲もあるものの、今回はオリジナル・アーティストにこだわらず、CHEMISTRYや槇原敬之によるカバー・バージョンも収録されているなど、新鮮な手触りも随所にちりばめられている。加えて、全体を包み込むこの何ともいえない統一感。さすがは以前同じ釜の飯を食べた者同士だ。80年代の楽曲の充実ぶりに、商業的成功とは無縁だったはっぴいえんど時代の“リヴェンジ”がゆるやかににじんで見える。(木村ユタカ)